ギンザのノハラ
Project Name |
ギンザのノハラ
Project Type |
ランドスケープデザイン / プランツマネジメント/ コミュニティデザイン
Status |
施工済
Duration |
・設計(第1期):2019年2月 - 2019年11月
・施工(第1期):2020年1月
・設計(第2期):2020年9月-2021年2月
・施工(第2期):2021年3月
Location |
東京都中央区銀座1丁目〜4丁目
Usage |
道路植栽帯
Site Area |
42m2(合算)
Client |
一般社団法人銀座通連合会
Collaboration |
施工:エスペックミック株式会社
花門フラワーゲート
Reference |
『ランドスケープデザイン139』マルモ出版, 2021年
『ランドスケープ研究 86(4)』日本造園学会, 2023年
Project Summary|
銀座中央通りにおける植栽帯の改修プロジェクト。
通常、1年草が繰り返し植え替えられ続ける都市の街路植栽において、私たちは銀座に「野原をつくる」ことをテーマにした。
江戸前島の尾根線につくられた銀座の中央通りが出来る前にあったであろう原野をデザインのモチーフとし、銀座が銀座になる前の草地の風景と日本の商業・文化の中心でありつづける銀座の街並みを同列対比させることで銀座の個性を際立たせて見せたいと考えた。また、現代における持続可能な街路緑化のあり方として、雑草といわれる多年性の草本植物の自然更新をベースとした粗放管理型の植栽計画と、都市部における昆虫類の生息環境の創出を目指した。
植栽帯には在来種(チガヤ・カゼクサ・ススキ・チカラシバ等の在来種による)の植栽を計画した。植物をただ見て楽しむのではなく都市の自然とコミュニティの関係性をつくるため、野原の草の刈り取りと茅の輪づくりを銀座内外の参加者1年に1回行うイベントを行い、地域の人や銀座を訪れる人が楽しく植物を利用・交流できる機会をつくり、皆で野原を継続的に楽しみながら育てていく文化とコミュニティを育むことを企画した。
銀座に野原をつくる最初の起点となった4丁目交差点の植栽帯(三越前)では、土壌改良等を一切せずにマット状のチカラシバ設置し、野原形成プロセスの定点観測記録をインスタグラムのサイトで公開している(以下リンク参照)。https://www.instagram.com/p/CBBNGTbHN1k/
このようにスタートしたギンザのノハラは、その半年後、クライアントや近隣の商業施設から、「冬に枯れてしまう雑草の植栽ではなく、1年中見応えのある植栽にしてほしい」という要望を受け、野原のテーマはそのままに、園芸種を含めた多年草の植栽計画を再検討し、施工後、現状にいたる。
日本を代表する商業地区ゆえ、1年を通じて装飾的な植栽景観を求めるのはもっともであろう。都市における植栽はどうあるべきか?その植物の見方、愛で方、関わり方の多様性や時代における合理性について、今後も地域の方々と議論していきたいと考えている。